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ヘッジファンドによる売買の停滞ぶりを示すのが空売り額の合計だ。
東証の分類上、ヘッジファンドの売買は下落時の空売りに制限がかかる価格規制ありに入る。
29日の空売り額は7237億円にとどまり、２月下旬から減少が続く。
東証全体の商いに占める空売りの比率も低下した。
ヘッジファンドが持ち高を落としている背景には、16年１～３月期の運用成績の悪化がある。
いったん売りと買いの持ち高を解消し、現金比率を高めているヘッジファンドは多いとみられている。
ヘッジファンドのなかには運用資産の下落率が一定の限度を超えると顧客による解約の対象となる場合がある。
こうしたフ ァンドは今後相場が好転しても持ち高を増やすのは難しくなる。
運用が停止されれば、市場参加者の減少につながり、薄商いが続くことになる。
個人の短期売買も総じて低調だ。
東京証券取引所が29日発表した25日申し込み時点の信用取引の買い残高は２兆6789億円と３週間ぶりに減少した。
売り残も含めた信用取引全体の残高はアベノミクス相場の初期の13年４～５月と同水準の少なさとなった。
個人も１～２月の相場下落で痛手を被った。
損切りで信用取引の持ち高を圧縮。
日本株に先高観はなく、株主優待狙いの売買などを除いて、積極的に買いに行く様子はないとの指摘があった。
海外勢と個人の売買シェアは高く、東京市場ではしばらく低調な商いが続くとみられる。
ただしヘッジフ ァンドの間では政府による財政出動に関心が高まっているとの声もあり、市場に好感される政策が公表されれば、新たな投資家を呼び込める可能性もある。
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